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古市憲寿「結婚の正体をさがして」

ONE OK ROCK『2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR』東京ドーム公演を社会学者 古市憲寿がレポート そこに見た「切実さ」と「孤独」とは?

ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN TOURを社会学者 古市憲寿がレポート!

3月31日の京セラドーム大阪公演を皮切りに、先日の福岡ヤフオク!ドーム公演まで計8日間のドームツアーを終えた日本を代表するロックバンドONE OK ROCK。その興奮の模様を、鋭い観察眼で時代を切り取る、社会学者の古市憲寿氏による文章でお届けする。

発売中のwith6月号では、ONE OK ROCKの「The Beginning」や「The Way Back-Japanese Ver-」を始め、様々な人気アーティストのMVを手掛ける気鋭のデザインチーム〝maxilla″によるスペシャルなデザインと構成にて掲載。ぜひこちらも併せてチェックしてほしい。

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photo by 浜野カズシ

下を向きながら歌うような少年だった

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photo by 浜野カズシ
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Photo by JulenPhoto
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Photo by JulenPhoto
2018.4.4.Wed/2018.4.5.Thu@TOKYO DOME

SET LIST
01 Taking O ff
02 未完成交響曲
03 キミシダイ列車
04 Cry out
05 The Way Back
06 Bedroom Warfare
07 Clock Strikes
08 One Way Ticket
09 内秘心書
10 Wherever you are
11 L ast Dance
12 [INST]
13 Deeper Deeper
14 I w as King
15 Take what you want
16 The Beginning
17 Skyfall
18 Mighty Long Fall
19 Nobody's Home
-ENCORE-
20 Change
21 完全感覚Dreamer
22 We are

「俺は人生を5 回やり直したとしても、ONE OK ROCK 以外の道は絶対に選ばないと思う」- Taka

取材・文/古市憲寿

「ぶっちぎってる。あんなに心が動くバンドはいない。声やビジュアルが格好いいのはもちろん、エモーショナルな部分にしびれる。ライブでは毎回、ぶっ倒れそうになりながら、ぎりぎりまで歌う。それでいてチャーミングで愛くるしい。その振れ幅にぐっとくる」

 ONE OK ROCKを聴き始めて10年以上になるという友人は、彼らのことをそう評する。めったに他人のことを褒めない彼が、そこまで心酔するバンドには前から興味があった。
 地上波のテレビにはほとんど出ないにもかかわらず、着々とファンを増やし、2017年に発売されたアルバム『Ambitions』はこの時代に40万枚を超える売り上げを記録している。国外での活躍もめざましく、2017年のSpotifyランキングによれば、ONEOK ROCKは「海外で最も再生された国内アーティスト」だった。 だけどその分、勝手な苦手意識も持っていた。洋楽をほとんど聴かない僕のような人間にとって、ONE OK ROCKは難しすぎるのではないか、と。正直これまでは、NTTドコモのCMソングにもなった「Wherever you are」くらいしかきちんと聴いたことがなかった。
 4月4日の東京ドーム公演を観に行けることになった時も、ちょっと不安だった。『with』でライブレポートを書くことはあらかじめ決まっていたのだが、全くライブが理解できなくて、一文字も書けなかったらどうしようと(そのほうがこのページに写真が増えて、読者にとっては嬉しかったかも知れないけど)。
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photo by 浜野カズシ

 杞憂(きゆう)だった。
 1曲目の「Taking Off」(2016 年)、イントロが鳴り始めると、ドームは観客の歓声に包まれる。暗闇の中からボーカルのTakaが姿を現し、第一声を発する。その瞬間から、彼が「本物」だということはすぐにわかった。
 突き抜けるような高音なのに、抑揚のある力強い歌声。ロングトーンでも失われない声量。要は、声がめちゃくちゃ良くて、びっくりするくらい歌が上手い。他の歌手たちが、ともすればお遊戯に見えてしまうくらい、圧倒的なレベルだと思った。 その後、たたみかけるように「未完成交響曲」(2010年)「キミシダイ列車」(2011年)という比較的初期の楽曲が披露される。
 この2曲には共通して「死」という言葉が登場する。「未完成交響曲」では〝もしも僕が明日死んでも何かココに残せるよな〞、「キミシダイ列車」では〝「もういいや このまま死んだって」…って思うほどバカに生きてるから〞といった具合だ。
 どちらのフレーズも表現としてものすごく目新しいわけではない。だけどそれがTakaによって歌われることで、一気に「本当」の言葉になる。直感的に彼らが「本当」にそう思っているのだろうと納得してしまうのだ。友人の言っていた「エモーショナル」という言葉の意味もわかる気がした。
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