
今年9月で引退!(涙) すでに“アムロス”で 自分のメンタルが心配

回答:「悲しむ」より「楽しみ」なよ!
Aさん(以下・A) さすがに全曲は知らないです。でもたぶん、アルバムはほぼ持ってるはずです。
古 僕も安室ちゃんは聴くほうなんだけど、たとえば「RESPECT the POWER OF LOVE」という曲は、CM版を合わせると5バージョンはあるんだよね。他にもアルバムに収録されていない「toi et moi」とか、SUITE CHIC時代とか、今リリースされている楽曲だけでもコンプリートは大変だよ。たぶん、Aさんが聴いたことのない曲もかなりの数あるはず。それを調べて、これから聴いていくだけでも〝アムロス〞(※1)にはならないんじゃないのかな。
A でも、生では見れないし……。
古 もともと生で見られる機会はたまにあるライブの時くらいだよね。でも本人が引退しても、安室ちゃんとの関係は切れないと思うよ。例えば、昔の文学作品だってそう。作者が死んでも作品は残る。紫式部ロスなんて人いないでしょ。千年前に死んでるんだから。
A 26年分のアーカイブとどう向き合うかってことか……。
古 安室ちゃんとは10歳離れてるんだよね? 同じ曲でも聴くタイミングによって印象って変わるもの。10年後、いまの彼女と同じ40歳になった時に聴いたら気づくことがきっとあるんじゃない?
A そう言われると、なんかいろいろ楽しみになってきました(笑)。
古 このご時世、昔の出演番組を観たければYouTubeで探せるし、デビュー当時のインタビュー記事もメルカリやヤフオクを使って雑誌を入手すれば読める。本当に大好きなら、ファンとしてできることはたくさんあるはずだよ。
A でもでも……やっぱり、引退しちゃうのは寂しいです。
古 そもそも引退は永遠の別れじゃないからね。人生100年時代、あと60年の中で、安室ちゃんの思いもどこかで変わるかも知れない。本人は活動しなくても、未発表曲が発売されるかも知れない。安室ボーカロイドが新曲を出す可能性もある。だから、そんなに悲しまないで、しばらくは膨大なアーカイブを通じて安室ちゃんのファンでいればいいんじゃないかな。
公式サイトで引退発表したことを受け、アムラー世代の30~40代のファンを中心に、ラジオに安室奈美恵の曲をリクエストする人が相次ぎ、ネット上では「ショックで仕事を休んだ」などといった声も。

イラスト/死後くん 撮影/Maciej Kucia(AVGVST) 取材・文/紺谷宏之