ピープル
山崎育三郎「はなうたまじり」
11.Jul.2020

山崎育三郎×小籔千豊 前編「あそこで踊ったら、虐められている今の状況から脱却できるかも」と思った【連載 はなうたまじり】

山崎育三郎【はなうたまじり】

人と会って、話して、楽しくて。思わず鼻歌を歌いたくなる。歌で心に温もりと潤いを届ける“歌うスーパー美容液”山崎育三郎さんが、「今会いたい人」と「こんなことやってみたい」ということを実現して、おしゃべりもするこの連載。 

今回のゲストは、小籔千豊さん。初対面、オンライン、畑違い……。対談としては三重苦の中、編集部の提示した「ピンチをチャンスにした話」を広げていくと、二人の口から、次々と、現実をサバイブするための金言・名言が溢れ出た。

【小籔さんとオンライン飲み】

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小籔さん:ジャケット¥63800、シャツ¥50600/copano86(Milok) 山崎さん:ボーダーニット¥24000、プリントTシャツ¥9500、ベルトワイドパンツ¥25000/ウィザード(ティーニー ランチ)

PROFILE

小籔千豊

1973年9月11日生まれ。大阪府出身。お笑い芸人、俳優、ドラマー、モデルなど、幅広い分野で活躍。2006年1月より吉本新喜劇の座長を務める。バンドでは、吉本新喜劇ィズ、ジェニーハイのメンバー。2008~2014年と2017年~大阪市で、音楽とお笑いを融合させた新しい音楽フェス「KOYABU SONIC」(コヤソニ)を開催。

山崎育三郎

1986年1月18日生まれ。東京都出身。現在放送中の朝の連続テレビ小説「エール」では、窪田正孝演じる主人公・古山裕一の幼なじみの歌手・佐藤久志役で出演中。自粛期間中は、「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」や、「上を向いてプロジェクト」の「上を向いて歩こう」など、SNS上での様々なプロジェクトに参加し、美声を披露している。

育さまの海外留学時の体験からカズニョロが得た学びとは?

■山崎 小学生の頃、「超コメディ60!」っていう番組で吉本新喜劇を夢中になって観て以来、東京出身ですが、新喜劇のファンです。小籔さんのことは天才だと思っています

■小籔 そんなん言うてもらって勿体ないですわ。初対面ですが、今日は、山崎さんが高校生の時アメリカに留学していた時のお話を伺いたくて。ウチの17歳の娘が、うっすら「留学したい」なんてことを言ってるもので。

■山崎 アハハ。いいですよ。アメリカ留学は、僕にとっても、自分を解放するきっかけになったすごく大きな出来事なんです。僕は4人兄弟の3番目ですが、兄が2人とも留学を経験していて、その兄から、「せっかく1年留学するなら、1年間、日本人と全く会わない生活をしろ」とアドバイスされたんです。

それで、アメリカのミズーリ州にある高校に留学したら、見事に、全校生徒2000人中、アジア人は僕だけでした。僕が行かなければ、そこの生徒は一生アジア人に出会わないんじゃないか、というような街で。登校初日には、ガタイのいい生徒から、「日本人が!」みたいな暴言を吐かれて、暴力を振るわれた。歩いていたら頭を叩かれたこともあります。

いろんなひどい扱いを受けて、僕は、心を閉ざしてしまうんです。授業には出ても、休み時間はトイレに隠れて誰にも会わない日々が、3ヵ月ぐらい続きました。ある日、廊下に「ダンスパーティー開催」の張り紙を見つけて、何か変わるきっかけになるかもと思い切って参加することにしたんです

■小籔 ほぉ。

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■山崎 500人ぐらい生徒がいる中で、最初は端っこで見てたんですが、アップテンポの曲になると、誰かがセンターで踊って、他の生徒たちはぐるりとそれを囲んで盛り上がっていた。その時、「もし自分があそこで踊ったら、虐められている今の状況から脱却できるかも」と思ったんです。

一応、子役からミュージカルをやっていてジャズダンスなら少し踊れたので、ある瞬間に、「いくぞ! ウォー!」って気合を入れて、みんなを掻き分け、センターにたどり着いて、無我夢中で踊った。そうしたら、ある女の子が、「IKU!」って僕の名前を叫んで、「IKU!」「IKU!」ってコールが沸き起こった。

次の日には、僕を虐めたりからかったりしていた生徒が、「ランチ食べよう」って誘ってくれて、たった一日で世界が一変した。僕は学校中の人気者になれたんです。以来、スポーツの大会があると、国歌斉唱の役に立候補したりして(笑)。しんどい時は、今でも、あのダンスパーティで一歩踏み出した時のことを思い出します。

■小籔 うわぁ、16歳にしては、あまりに壮絶な経験ですねぇ。その、みんなの前で踊る時の勇気たるや。僕ら大人なら、家族のためにとか、お金がいるからとか、自分以外のために腹を括れるけど、自分のために踏み出す一歩って、めちゃくちゃ根性いることじゃないですか。大博打やと思います。山崎さんの話を聞く前まで、娘の留学も「60%ええんちゃうか」やったのが、五分五分になりました(笑)。

■山崎 女の子には優しくしてくれますよ。
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