ピープル
山崎育三郎「はなうたまじり」

山崎育三郎×古田敦也 後編「『自分は運が良かった』と言い切れる山崎さんは、きっとすごくいいプレーヤーなんだと思う」【連載 はなうたまじり】

■山崎  (うっとりしながら)なるほど〜。古田さんの視点は、野球をやっている人だけじゃなく、どんな人にも応用できる感じがする。そこも魅力ですよね。僕、人生で大事なことの多くは、野球から学んだような気がしているんです

■古田 確かに野球は、役割分担がはっきりしていて、攻守が明確に入れ替わるから、チームスポーツの中では、子供が入っていきやすい。仲間がいて、勝ったらみんなでわーっと喜び合えるし、練習は苦しくても、励まし合うことで乗り越えていける。いろんな感情をシェアできる喜びは、個人競技とは違うところですね。小中高大学と、野球をやっていた仲間とは、54歳になった今もつながりがありますしね。戦友と言ったら大袈裟だけど、一緒に乗り越えてきた絆のようなものがあります

■山崎 
​僕は小学校の時だけですけど、みんなで喜びや苦しみを分かち合うことや、試合では、自分を犠牲にしてでも仲間を生かすことや、礼儀、目上の人を敬う心。いろんなことを野球から学びました。チームプレーという意味では、ミュージカルの世界でも同じです。大勢のキャスト、スタッフの中で、この作品をどういう風に作っていくか。でもやっぱり、自分一人で歌ったり、一人で芝居していくよりは、誰かがそこにいて、何かを共有しながら表現するところに喜びを感じます

ところで僕、古田さんって、ずっと精神が強いイメージがあるんです。どんな時も平常心でいるように見えて、そこもすごい。僕らの仕事の場合、技術や実力も大事だけれど、それ以上に、運やタイミングに左右されやすい気がする。実力だけでは補えない世界だと思っているんです。僕もテレビの世界に初めてチャレンジしたのが、視聴率20%超の「下町ロケット」だったから、次の映像の仕事につながったりとか。自分のことは、本当にラッキーだなと思っています

でも、スポーツの世界は、完全に実力じゃないですか。常に追い込まれる中で、結果をずっと残し続ける。その中での、精神の整え方が、古田さんはすごく巧みな気がします。

■古田 プロ野球で、「いい選手の条件」っていくつかあるけど、そのうちの一つが、インタビューされた時、「たまたまです」って答えられるかどうかなんです。一世一代の晴れ舞台で、ホームランを打って、ヒーローインタビューで、結果が出たことを自分の手柄にして、わかった風なことを喋るやつがいると、「あかん、こいつすぐ落ちるわ」って思う(笑)。

チャンスの数って平等じゃないけど、上に上がっている人は、必ず、少ないチャンスを摑み取ってる。もし、野球界のことを、エンタメ全般に置き換えるなら、「自分は運が良かった」と言い切れる山崎さんは、きっと、すごくいいプレーヤーなんだと思います

■山崎 ​ わ、嬉しいな。これからもっと言っていこう(笑)! あと、神宮球場が再開したら、始球式か、国歌斉唱がしたいです。僕、メジャーリーグの開幕戦、東京ドームのイチロー選手の引退試合で、日本の国歌とアメリカの国歌、両方歌わせていただいたんです。でも、それよりも僕は神宮で歌いたい。古田さん、ぜひお口添えください!

《古田敦也さんのはなうたテーマ》

『東京音頭』(2回目)東京ヤクルトスワローズ

連載第3回目の時、ジャニーズWESTの重岡大毅さんから「小さい頃、古田さんから野球指導を受けた、愛弟子や!」とアピールされたことを悔しがり、その時のはなうたテーマをヤクルトスワローズの応援歌にした育さま。

「東京音頭」は2回目の登場。スワローズの応援では、傘を使うのが恒例だが、その傘にビニールテープで、「古田」と、神の名前を刻んだという。
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PROFILE

古田敦也

1965年8月6日生まれ。兵庫県出身。元プロ野球選手(捕手)・監督で、現在は野球解説者、タレント、スポーツキャスター。日本プロ野球名球会副理事長。この春、育さまが出演する「エリザベート」で、人生初のミュージカル鑑賞の予定だったが新型コロナウィルスの影響で叶わなかったという。

山崎育三郎

1986年1月18日生まれ。東京都出身。現在、NHK連続テレビ小説「エール」に、主人公の幼なじみの佐藤久志役で出演中。日本テレビ系 夏の水曜ドラマ「私たちはどうかしている」に多喜川薫役で出演予定。11月7日、「山崎育三郎 THIS IS IKU日本武道館」を開催。
撮影/田上浩一 ヘアメイク/松原美穂(山崎さん/Nestation) 田中陽子(古田さん/Lila) スタイリング/百瀬豪(山崎さん) 取材・文/菊地陽子 ※商品情報はwith2020年9月号発売時点のものです。
 
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