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小島慶子「令和女子のための新・教養」

「自己責任と自業自得は何が違う?」小島慶子 “自己責任”という言葉を使うときに考えたいこと

オトナになるって楽しい!小島慶子の令和女子のための新・教養【Vol.25】

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「自己責任」という言葉を使ったことがありますか? ネットの記事でもよく見ます。では、意味を説明してくださいと言われたら、どう答えますか?

「自分が決めたことで、人に迷惑をかけてはいけない」「自分が選んだことの結果を、他人のせいにはできない」なんて答えが多そうですね。親や先生に言われたこともあるでしょう。「自由があるということは、責任が生じるということだ」などと。

あなたには選ぶ自由があるのだから、結果は自分で引き受けなさい、と言われたら確かにそうだなと思いますよね。例えば買い物だったら、自分の予算内で好きなものを買うことも、買わないこともできます。

たくさん種類がある中で、あるジュースを買って飲んだら期待外れだった。それはお店の責任ではありません。あなたは数百円を無駄にしたけれど、次からその商品を買わない自由があります。

では、これはどうでしょう。有名大卒のAさんと、高卒のBさんがいます。Aさんは年収600万円ですが、Bさんは200万円に満たない年収で、とても苦しい生活を送っています。BさんはAさんのように勉強を頑張らなかったのだから、貧困は自業自得でしょうか。Bさんが、国に助けを求めるのは甘えでしょうか?

「自己責任」という言葉に潜むものに慎重になろう

自己責任と、自業自得は違います。これを混同している人がとても多いのです。Bさんの困窮はBさんの努力の結果だけではなく、家庭環境や心身の健康状態、社会の仕組みなど、自分では選べなかった要素や変えられなかった障壁もあるはずです。

国には、困っている人を助ける責任があります。「自助、共助、公助」という言葉を政治家が使うときには、注意が必要です。「まずは自分でなんとかする、次に仲間となんとかする、その上で国がなんとかする」という言い方は、国が個人を救済する責任を逃れるために用いられます。

「まず自助、次に共助、最後に公助」ではなく、人が生きていく上では「自助と共助と公助の全てが必要であり、それぞれにやれることがある」という意味で用いられるべきなのです。
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