ピープル
小島慶子「令和女子のための新・教養」
31.Mar.2020

小島慶子「おばさんの呪い」―シワのある世界も、ない世界と同じくらい豊かで面白い【令和女子のための新・教養】

オトナになるって楽しい!小島慶子の令和女子のための新・教養【Vol.6】

pattern_1
いきなりですが、おばさんになるのは怖いですか。怖いですよね。なったことないから、どんな感じかわからないでしょう。イメージとしては、顔にシミやシワやたるみがあり、体型にメリハリがなく、服装がダサく、話題が時代遅れで、愚かで自信たっぷりで、声が大きく、説教くさい……感じでしょうか。これ、私が20代の頃に思っていた「おばさん」像です。

よく考えたらそのおばさん像は、テレビなどで刷り込まれたネガティブなイメージなんですよね。実際に自分がおばさんと呼ばれる年齢になってみたら、当たり前だけど「おばさんもいろいろ」だとわかったし、人生が終わるわけでもなんでもなく、むしろ楽しいことが増えたくらいです。だから、まずは安心してね。
私たちの周りには、女性に対する意地悪な刷り込みがたくさん仕込まれています。それを真に受けてしまわないように、よく注意しないといけません。

つい最近では、テレビの複数のワイドショーが女性専用車両を取り上げ、「女は男の目がないと行儀が悪くなる。ふだん男に見せている顔は取り繕ったもので、女だけになるとえげつない本性が剥(む)き出しになり、ゴミを散らかしても平気。女同士は仲が悪く、みんな自分のことしか考えていない。実際そのひどい実態を女性が証言している」「女性専用車両は男性への差別だ」という偏見に満ちた伝え方をしました。

いうまでもなく、痴漢被害が多いから女性専用車両が必要になったのであり、女性を特別に優遇するために作られたのではありません。女性専用車両をなくしたいなら女性を叩くのではなく、痴漢を取り締まるべきなのです。

当然この取り上げ方は批判され、ある番組ではインタビューを受けた女性の発言が歪曲(わいきょく)されて使われていたことが判明し、テレビ局が謝罪しました。なぜ同時に複数の番組でこのような内容が放送されたのでしょうか。テレビ局で番組を作っている人たちが女性に対して抱いている偏見や女性嫌悪、女性蔑視、そして男性側の誤った被害者意識がハッキリと表れた、2020年とはとても信じがたい出来事です。
次のページ>>おばさんという呪いであなたの未来を曇らせないで  
16 件

キーワード

急上昇キーワード

新着記事

あなたへのおすすめ