ピープル
小島慶子「令和女子のための新・教養」
26.Oct.2020

小島慶子「メンターを探せ!」―メンターの連鎖が、世の中を変えるのかもしれない【令和女子のための新・教養】

オトナになるって楽しい!小島慶子の令和女子のための新・教養【Vol.13】

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皆さん、良きメンターはいますか? そう、仕事や人生の指導者、リスペクトできる頼れる助言者です。

憧れのタレントを美容の師と仰ぎ、大好きなインフルエンサーのファッションを真似している人も多いでしょう。彼女を見ているだけで幸せ、彼女みたいな自分になりたい! と。そんな憧れの人とメンターは、似ているようでちょっと違います。メンターとは、自分自身をより深く知るきっかけを与えてくれる人です。

憧れの人への思い入れは一方的で、自分を見ることよりも相手を見ることにエネルギーを使うもの。一方、メンターは自分を省みる「問い」をくれるのです。あなたはどう考えるの? あなたはどうしたいの? と。

人が成長するには、良き答えよりも、良き問いが必要です。答えの出ない問いを考えるという効率の悪い作業がなぜ大事かというと、以前にここでも書いたように「脳のこなれ感」が増すからです。その脳のこなれ感こそが、個性とか知性とか言われるもので、結果としてあなたを誰にも似ていない存在にしてくれます。
良きメンターとは、相手に自分のやり方を押し付けるのではなく「あなたはどうなの?」という上手な問いをくれる人。「あの人みたいになりたい」ではなく「自分も誰かにとってあの人のような存在になりたい」と思わせてくれる人です。

私が20代で放送局のアナウンサーだった頃、上司は50代の女性で、跳ねっ返りの私をいつも心配してくれました。ある日、ナレーションの仕事をしているときに、彼女は「小島、行間は人生で埋めるのよ」と言いました。「なんだかかっこいいな」と強い印象を受け、折に触れてその言葉を思い出すようになりました。

行間を読むということとは違うんだろうか? 行間を埋める人生って、どんな人生? とずいぶん考えたものです。ああ、こういうことかな? とふと思い当たったのは、会社を辞めて10年近くたった40代後半になってから。この先も一生、考え続けていくでしょう。

彼女はまさにメンターでした。いつも私にヒントをくれて、答えは自分で探させる。アナウンサーとしては全く違うタイプでしたが、親身になって問いをくれた彼女の存在は当時の私にとって何より心強い支えでした。

一方で、仕事と育児の両立では、先に子供を産んでいた同期のアナウンサーがメンターでした。彼女のおかげで安心して子供を産めました。メンターは肩書や年齢が上の人とは限らないのです。
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