ピープル
古市憲寿の「OL温故知新」

「離婚の痛みは仕事に生かさないともったいないと思った」草笛光子が語る“一度だけ仕事を辞めようと思ったときのこと”

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戦後、経済の発展によって日本人は前例がないほどの“自由”を手に入れた。女性の生き方の模範となる成功例が少なかったはずの時代に、働き盛りだった女性たちはどんな幸せを求め、どうやって人生を切り開いてきたのか?

激動の時代を乗り越えてきた先人たちの声が、きっと令和を生きるOLたちへの応援歌となる。至極の名曲(人生)を集めることを目指して、社会学者の古市憲寿さんによる対談連載! 

今回は約70年前から女優として活躍する草笛光子さんが登場!

草笛光子「挫折も絶望も仕事の糧にする」

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シャツ¥42900/レキップ パンツ¥96800/ヨシエ イナバ イヤリング¥27500、サファイアリング¥330000、象牙リング¥132000、シルバーブレスレット¥31300、銀彩ブレスレット¥29700/オート ジュエラー アキオ モリ

離婚の痛みは仕事に生かさないともったいないと思ったんです(草笛さん)

■古市 「これまでお仕事を辞めようと思ったことはないんですか?」

■草笛 「一度だけあります。離婚した時ですね。やっぱり傷ついたし、母親は仕事を辞めて実家に戻ることを勧めました。でも私は、それまで苦労してきたのに、引退したらもったいないと思って。せっかく連れ子がいる男性と恋愛して、いろんな喜怒哀楽を味わったのだし、それを肥やしにして女優業に還元するべきだと」

■古市 「やっぱり草笛さんはメンタルが相当に強い人なんですね……」

■草笛 「もう終わりにしようと思ったこともありましたよ。昔の芸能界は仕事を横取りされたり、約束が守られないことも多々あったから。傷ついて絶望して、本当に自殺する寸前まで落ち込んだことも。でも、死んじゃったら元を取れないでしょ(笑)」

■古市 「前向きで素敵です(笑)。今、草笛さんは88歳ですが、まだ仕事でやり残したことはあるんですか?」

■草笛 「私の究極の目標は、お客さんを心の底から感動させられる女優になること。その遠い遠い目標に向かって歩いてきたし、それを達成できそうな企画があったら自腹でもいいから舞台を作りたい。莫大な制作費がかかるから、自宅を担保にしてもいいと思っているの」
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