編集部|ピープル

「桑田真澄の息子」という“二世フィルター”が嫌だった時期も…Mattが「“桑田家”に生まれてよかった」と、今心から思えるようになった理由

「僕はもう家を出なきゃいけないんだよね? 野球をやらない人は、この家にはいちゃいけないんだもん」――。野球を辞めると決心した小学校6年生の頃、そんな言葉をしきりに口にしていたというのは、野球界のレジェンド・桑田真澄さんを父に持ち、“野球ファースト”の家庭で育ったMattさん。

「Matt化」が話題となり、“自分らしく”生きる姿が支持されているMattさんですが、芸能界デビュー時には想像を絶するバッシングを受け、そしていつまでも“桑田真澄の息子”というフィルターを通して見られ続けられることにモヤモヤしたことも……。

幼い頃から「野球」に対する周りからの期待、そして重圧。芸能界デビュー後のバッシング……。どんな逆境にもめげず、Mattさんがこれまで自分らしさを貫き続けられたのは、ご両親がMattさんのやりたいこと・意見を尊重してきたからこそ。Mattさんの母・桑田真紀さんによる初の書籍『あなたはあなたのままでいい~子どもの自己肯定感を育む桑田家の子育て~』には、桑田家のこれまでとともに、子供とどう向き合うのか、子育てのヒントがちりばめられています。

今回、Mattさんにインタビューを実施。書籍の内容を一緒に振り返りながら、Mattさんが当時思っていたこと、そして現在の思いなどに迫ります。インタビュー後編では、お兄さんや“桑田家”に対する思いについて。

【インタビュー前編はこちら】

兄にすべてを背負わせていたのかもしれない…と罪悪感を抱いたことも

―― 一度、野球をやめると決めてお父さんに伝えた後は、誰に何と言われても自分らしさを貫き続けるMattさんの強さが、本にも描かれていました。どうしてそんなに強くいられたんですか?

Mattさん(以下、敬称略) 僕はもともとあまり揺るがないタイプで。小学校の低学年くらいから、自分は絶対に野球選手にはならないし、多分スーツを着て会社に行って……みたいな働き方もしないだろうなっていうのも、自覚していたんですよ。小さいときから天使の羽を背中につけていたせいかな? 自分は大丈夫だろうっていう根拠のない自信があったんです。

――「天使になりたい」が口癖だったんですよね。生まれて初めてサンタさんにお願いしたプレゼントは天使の羽。小学校に上がるまで、「僕、絶対に天使の羽で飛ぶんだ」と言って譲らなかったと、本にも書いてありました。

Matt 本当に自由な子供でしたね(笑)。常にワクワクしていたし、明日、そして未来の自分はどうなっていくんだろうって楽しみで仕方なかったんですよね。といっても、自分のなかにあったのは「自由な人になりたい」っていう漠然としたイメージだけで、具体的に何をしたいのかはずっとわからなかった。音楽は好きだけどオーケストラに入りたいわけでもなかったし、むしろクラシックはあんまりぴんと来なかったし。中高生時代はメイクもしていなかったから、こんなふうに芸能界のお仕事をするなんてことも想像していなかったですし。
――デビューも、たまたまSNSでハロウィン仮装が話題になったことがきっかけでしたもんね。

Matt 常に、自分が好きだと思うことを選んで、表現してきた。そういう子供心を大切にしていたから、自分の本質的な部分を壊さずに生きてこれたのかなって思います。ただそれは、兄の存在も大きくて。子供のころから野球に打ち込んでいる兄がいたから、僕はプレッシャーを感じつつも、やりたくないときはやらないってスタンスを貫くことができたから。野球をやめるって決断も、兄は長く続けるだろうって確信があったからできた部分もあります。

――お兄さんが野球をやめようか悩んでいたとき、「僕は野球をやめちゃったけど、お兄ちゃんはプレッシャーの中で野球を続けてきたじゃない。お兄ちゃんがそうやってがんばってくれたからこそ、僕だってがんばってこれたんだよ。だから、やめるなんて言わないで。貫いてよ」とおっしゃったそうですね。

Matt でも僕はそうやって、兄にすべてを背負わせていたのかもしれないなってだんだん罪悪感を抱くようになりましたね。兄の生活は本当に野球一色で。たとえば学校のスキー合宿も、怪我をするといけないから欠席していて、本当はもっと野球以外の楽しいこともしたかったんじゃないかな、と大人になるにつれて申し訳なくなっていったんですよ。僕が自由を手に入れるかわりに兄から自由を奪ったのかもしれない、僕ってずるい人間だな、と……。ただ、引退した今も野球教室に顔を出したり、試合を見に行ったり、むしろ現役時代より楽しそうに野球に関わっていて。そういう姿を見ると、ホッとしますね。兄はちゃんと野球が好きだったんだな、って。
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