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小島慶子「明日の空模様」

小島慶子【夫婦の間の本当のところ】は当人たちにしかわからない。でも……

人間関係

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連載第3回【小島慶子 明日の空模様 】

40年前、私たちの親の時代には【子どもがいる世帯は7割】でした。ところが今は【子どもがいない世帯が6割】。社会は大きく変わっているはず? ……と思いきや、給料は上がらないのに物価は上がり、男女の賃金格差と雇用格差はあいかわらず。暗くならざるをえない状況だけど、どうしたら少しでも豊かな人生を送れるのか、家族や友人たちとどう楽しい時間を持てるのか、小島慶子さんと考えていく連載です。
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どの家族の形も【世界に一つだけ】の再現不可能なもの

今、結婚していますか。結婚しようと思っていますか。いつかは結婚したいですか。もう結婚はしたくないけれど、大切な誰かと生きていきたいですか。

40年前と比べると、日本では生涯、結婚しない人が大幅に増えました*。法律婚ではなく事実婚を選ぶ人もいます。ひとり親やステップファミリー、子どもを持たないカップルもいますよね。夫婦や家族の形の正解って?と悩む人も多いでしょう。あなたとあなたの好きな人との間にどれぐらいの距離感の、どんな形のつながりが最適なのかは、はじめから答えが出せるものではありません。生きながら探せばいいのです。
いくつかの場で語っているのでご存じの方もいるかもしれませんが、2年前、私と夫は、数年後に離婚する選択肢を視野に入れて生活することで合意しました。次男が大学生になったら夫婦の関係の最適な形を決めようと、私から提案したのです。

20年ほど前、長男を出産した後に夫がとった行動により、二人の関係は不可逆的に変わってしまいました。彼を人間として心から信頼していた私は完全に壊れてしまい、今もまだ回復の途上にあります。
ただ、私たち夫婦は育児のパートナーとしては互いに最も信頼できるいいコンビです。夫は良き父親で、息子たちもパパが大好き。

だから育児に一区切りがつくまでは何も変わらずこれまで通りに生活し、その次のステージをどのように生きるのかをそれぞれに考え準備する時間を持とうと決めました。何度も話し合いをして合意に至ったので、今も家族の暮らしは平穏に続いています。

息子たちも私と夫の関係を知っています。人と人の間には尊いものも醜いものも、新しく生まれるものも壊れてしまうものも、あらゆる矛盾が同時に存在し得るということを、同じ人の中に最も温かいものと最も冷たいものが共存し得るということを、それゆえに人が苦しむということを、日々の穏やかな時間の中で彼らなりに学んでいるのだと思います。

それは再現不可能な、世界に一つだけの私たち家族の形です。私たちは互いを信用して、その都度探りながら言葉を交わしてきました。他の人には、わからないことです。
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