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心と体トピックス

産婦人科医が「生理休暇」に対して感じる問題点。まだ“大きな勘違い”をしている男性もいるという現実

心と体

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1ヵ月の中で「快調」な日って、だいたいどのくらいありますか? 季節や人によってそれぞれですが、でも、女性は生理やPMSなどで悩んだり、「なんとなく不調」と感じる人は多いのではないでしょうか。特に、20代から50代にかけては、女性ホルモンの分泌量が大きく変動する時期。女性ホルモンと上手に付き合っていくことは、より生きやすくなる手段の一つでもあります。女性にとって大切な情報を発信し続け、最新書籍『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)を上梓された産婦人科医・高尾美穂先生に全4回にわたってインタビュー。女性ホルモンとの向き合い方、そして女性がもっとラクに生きやすくなるためのヒントを伺いました。

▼これまでのインタビューはこちら▼

「生理休暇」という言葉は変えるべきなのでは?

――vol.1で、博多大吉さんとの対談で、女性は生理にまつわる不調や不快を「しかたのないもの」として我慢しすぎだと気づいた、というお話がありましたが、他に、男性と話すことで気づかされたことはありましたか?

「生理休暇」という言葉がよろしくないということですね。休暇というと、バカンスのようなイメージが強いらしくて。男性の中には、いつもより少し遅めに起きて、午後はアウトレットにでも行ってるんじゃないかと思っている人もいると聞きました。それを聞いたときは、もう本当にびっくりしました。だって、起き上がるのもしんどい、何をするにもおもだるくてたまらないから休んでいるのに。
 
――アクティブに出かけられる元気があるなら、会社に行きますよね(笑)。

本当にそう(笑)。かなり昔から生理休暇は存在しているけど、うまく活用できている人は、結局ほとんどいないんですよね。どうして活用できないかというと、男性が女性に“与える”という形をとっているからなんですよ。個人的には、医者が患者に薬を投与する……投げ与えるという言い方もおかしいと思っているんだけれど、感覚としてはそれと同じなんですよね。男性より体の弱い存在を守るために、生理休暇は存在している。これは、女性は庇護の対象だという意識を強めるものでもあって、結果的に女性の自立を妨げてもいるとも言える。だからこそ、女性は自分の足で立つために、自分のコンディション管理をしなくちゃいけない。〈自分のコンディション管理は、社会人として仕事のうち〉って本の中にも書いたけど、女性側も「生理だから……」と甘んじていては、いつまでたっても男女の不均衡はなくなりませんよね。

――生理休暇ではなく、体調不良の人なら誰でも取得できるようにならないかな? というのは、以前から思っていました。男性だって持病のある人はいるだろうし……。

そのとおりです。同じ女性でも、たとえば更年期障害がひどい人は、生理休暇で休むことができないわけで。たとえば「ウェルネス休暇」などに名称を変えて、対象を限定しなければ、腹痛で起きあがれない人も、ワクチン接種の副作用がひどい人も、男女問わず休むことができますからね。でもそれこそ“そういうもの”として、生理に関してはみんな、なんとなく思考停止してしまっている。これは改善すべき点だな、と思います。
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