仕事・働き方
行動心理士 長谷川ミナの「OLセラピー」
22.Apr.2018

完璧主義をやめたい…。精神的な負担をなくす程よい力の抜き方とは?【心理学対処法】

アラサー行動心理士 長谷川ミナの『OLセラピー』第19回目の配信です。

お仕事の悩みはどこに行っても誰にでもある、当たり前のこと。

『OLセラピー』とは、よりよいOL生活を楽しんでもらうために、行動心理学に基づいて職場のお悩みを解決していくコーナーです。
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Ⓒyukaco tomioka


さてさて、今回ご紹介するのは「完璧主義」に対するお悩みです。

今回のお悩み

私はいわゆる完璧主義者なので、仕事をする上で妥協することが出来ず、
納得がいくまで残業をしてしまったり、ミスをする度、自分が嫌になり辛いです……。
もっと力を抜いて仕事をやっていくためにはどう心がけるのがよいのでしょうか?
(29歳・金融・Kさん)

完璧主義者であるというKさん。
ではKさんのように完璧にこだわってしまう原因について探っていきましょう。

心理学では、完璧を求める姿勢は幼少時代の家庭環境が大きく影響していると言われています。

例えば、テストでいい成績が取れないと親に褒めてもらえなかったという経験です。努力を評価されず、結果ばかりを求められると、「完璧でないと愛されない」「完璧でないと認められない」という間違えた認識を持つようになります。

Kさんも完璧に出来ないと自分自身が情けないと感じてしまうというように、無意識に“できなかったこと”ばかりに目がいき、理想通りに仕事が進まないと落ち込みやすくなってしまうのです。

仕事の高みを目指す完璧主義者の根底には、完璧じゃない自分を「怖れている」気持ちが強いと言えるのです。

しかし、完璧にやろうとすればするほど緊張状態が高まり、失敗する確率が高くなります。結果的に自分自身で首を絞めてしまう危険性もあります。
そうすると、「自分は何もできない」と強く感じるようになり、自信を失ってしまうので注意が必要です。

自信を失わずストレスを感じないように程よい力の抜き方を覚えておきましょう。

では、「完璧主義」から脱するための3つの方法をご紹介します。

・自分の思考パターンを知ろう!

・“ポジティブな完璧”に意識を向ける

・力の入れどころを判断する


自分の思考パターンを知ろう!

心理療法の一つである認知行動療法では、「考え方の癖に気づく」ことで完璧主義を改善することができると言われています。
そのためにも、先ほどお伝えしたように、完璧主義になってしまう原因自分の思考回路を知っておきましょう。

心理学によると、人の考え方には10種類の癖があるとされていますが、その中でも完璧主義者には、下記3つの考え方が共通しているとされています。

①「白か黒か」思考
物事を「成功か失敗か」「ゼロか100か」など価値判断を極端な2つの指標で考える思考。
成功することだけが良く、少しでも失敗すると「無意味だ!」と思ってしまう傾向にあります。

②「普遍化」してしまう
失敗したことがあると、「きっと次もうまくいかない」と考えてしまう思考。
ほんの少しのミスにも関わらず、「自分はいつもミスするダメ人間だ」と決めつけてしまいます。

③「~すべき」思考
何か取り組む時に「~するべき」「~しなきゃいけない」という考えが強いことです。
自分で基準を作ってしまうことによって、必要以上にプレッシャーを与えて追い詰めてしまいます。出来なかったときに、自己嫌悪に陥りやすく、無駄なストレスが増します。

Kさんにも当てはまるのではないでしょうか?

また、考え方の癖を改善するための手法の一つとして、「コラム法」が有効とされています。
現状の思考を整理して、ストレスのない考え方ができるようになる手法です。

辛いと感じた状況、気分、自分の考え方をノートに書き出し、それに対する客観的な事実と客観的に見たことで変わった自分の気持ちの変化を同時に書き込むのです。

こうして自分の考え方を冷静に捉えられるようになると、自分を苦しめない考え方に気づくことができます。完璧主義を緩和させる効果があるのです。


次のページ>>“ポジティブな完璧”に意識を向ける!

“ポジティブな完璧”に意識を向ける

完璧主義者であることがKさんの中で欠点であるかのように感じてしまっているかもしれませんが、責任感がある、成し遂げる力がある、諦めない強さがある、など良いところもたくさんあります

しかし、Kさんのように完璧主義がゆえに自分が辛くなってしまっては本末転倒です。

Kさんが求めている完璧さとは、他人から認められるために、見放されないように、と他人の価値観に支配された考え方のはずです。

先にもお伝えしましたが、完璧主義者の根底心理には「自分の価値に対する怖れ」があることが多いです。まずはそのネガティブな感情をなくして、ポジティブな感情に置き換えるようにしてみましょう。

「納得がいくまで残業をする」「ミスをすると情けなく感じる」という心理を「きちんと仕事をこなすのが好き」「ミスをせず完璧に出来ると快感」「しっかりこなした後のビール最高!」など、完璧にやる事に執着するよりも、Kさんが満足できる仕事のやり方やりがいに意識を向けることです。「完璧にできないからダメだ」という考えをなくしていきましょう。

このように、ポジティブな視点で受け止められると「怖れ」がなくなり、Kさんの精神的な負担が軽減されます。

力の入れどころを判断する

完璧主義者の方は、全てにおいて100点を求めてしまうかもしれませんが、常に完璧を目指す事は心身共に疲れてしまいます
また、失敗を恐れるがゆえに、出来なかった時は自信をなくしやすく新しい仕事にもチャレンジしにくいというデメリットもあります。

まずは、すべての物事に対する100点をやめてみてはいかがでしょう。

Kさんの中では、この仕事は絶対に100点で仕上げたい、と思うものと、実はそれほど完璧でなくても良いものがあるはずです。その少しの差を見極めて、手を抜いても良いものは手を抜く勇気を持ってみてください。

例えば、たくさんの人が関わっている仕事は時間も内容も100点を目指すが、自分だけで完結する仕事は60点を目指す、など緩急をつけることです。60点といっても仕事をちゃらんぽらんにする、ということではありません。1時間で終わらせることが100点だとしたら、明日に回すことが60点。そのように、まずは自分の中で時間的な優先順位をつけて取り組んでみてはいかがでしょう。

また、仕事のやる気を出す方法として「スモールステップの原理」があります。段階的に難易度を上げて小さな「できる」をたくさん体験する方が、仕事のモチベーションが高まり、自分は出来る!と感じられるようになります。まずは小さな「できる」を積み重ねていくことが、完璧主義を緩めるためには必要なのです。

どんなに立派に見える人でも完璧な人はいません。だからこそ、完璧に出来なかったことでいちいち落胆する必要はないのです。

Kさんの完璧主義という長所を生かして、自分にとってやりがいになる仕事の方法を見つけることに意識を向けていくようにしましょう! そうすれば等身大の自分を愛することができるでしょう。

ということで、
今回の合言葉は「そもそも完璧な人間などいない!」です。

ではでは、皆さまのよき日々を願って……♥

また来週!

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