学び・仕事
#おしゃれOLさんのスキルアップ

【大人になっても“学び続ける”意味】独学を極めた研究者に聞く、きっかけを見つけるヒント

27歳からの学び方 Vol.1

繋がることは社会を知ること

在宅ライフが長引いた結果、ひとり時間を新たな“学び”に費やす女子が急増中。オンラインサロンや通信制大学や大学院、独学派まで、今は選べるジャンルも方法も多種多様! 学びのコツや効能について、達人たちに教わりました。

そもそも、何のために学ぶ?

さまざまな学びの機会が溢れているからこそ、自分の中で学びの目的を整理しておくことは大切。独学を極めた気鋭の研究者の持論や、with読者の体験談をチェックして、しっくりと納得できる動機を見つけるヒントに。

お話を伺ったのは…人類学者(独立研究者)竹倉史人さん

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武蔵野美術大学映像学科中退を経て、東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒業。東京工業大学大学院理工学研究科博士課程満期退学。特定の学会に属さず研究を続ける人類学者。2021年、学域を超えて話題となった2冊目の著書『土偶を読む』が第43回サントリー学芸賞を受賞。
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学ぶとは「世界を食べること」

「毎日、ご飯を食べて身体に栄養を与えているのと同じように、我々人間は日常で起きたあらゆる出来事を咀嚼(そしゃく)して自分の中に取り込み、心の栄養を蓄えています。文字通り、世界を食べて生きている。そして、楽しい経験をもっと深く味わい、辛い経験を素早く消化して栄養に変えるためには、教養が役に立つ。

僕が、特に生きづらさを訴える人に学ぶことを勧めるのは、そのため。教養と言っても実は内容はなんでもいいんです。資格のように実用的なものでなくても大丈夫。社会を知り世界を食べるための調理法のようなものですから。それくらい、学びは人間に欠かせない営みなんだと思います」(竹倉さん)

経験をうまく消化できるようになる

「天災や病気などどうにもならない困難に直面し、意味を見出せない状態を『消化できていない』と世間では表現します。消化を助けてくれるものはなんでしょう? 同様の出来事があった歴史や他国の事例といった『知識』もそのひとつかもしれませんね」(竹倉さん)

「自分のため」にしないのがコツ

「仕事で疲れて帰ったら自分用の夕飯なんて適当に済ませたくなりますが、恋人や子どものためなら料理を頑張る気力が案外湧いたりしますよね。人間は『利己』よりも『利他』で動くほうが幸福を感じやすい生き物なんです。

自分を高めるための“学び”の場合も同じで、個人的な『好きなこと』や『やりたいこと』だけを突き詰めるのは難しく、だんだん飽きてしまう。だから、学ぶ動機が曖昧(あいまい)な人は、学びを社会とシェアできる学校のような場所に身を置くほうがいいと思います。

何を学ぶかについても『誰かに喜んでもらえたこと』や『役に立てたと思えたこと』という視点を大切にすると上手くいくのではないでしょうか」(竹倉さん)
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