「男性学」から学ぶ、今よりもっと快適に働くためのヒント Vol,2
“男の事情”も知り、その背景にある社会の構造にも目を向ければ、今よりもっと快適に働くためのヒントが見えてきそう。そんな希望を抱きながら、日本の男性学の今を知る2人の識者に話を聞きました。
この社会で仕事をがんばりたいから
セクハラやパワハラの構造を学び、自分も陥らないように活かしていく
「性差別的な価値観を後世に受け継がないためにも、性別によらない若手同士の繫がりで問題意識を共有することが大切」と語るのは、恋愛とジェンダーに関するテーマの執筆が多い文筆家の清田隆之さん。
「近ごろは部署や会社の垣根を超えてジェンダー問題を学ぶ有志の集まりが増えています。権力者によるセクハラやパワハラの背景には何があり、どう対処すればいいのか?
みんなで問題意識を共有するなどして連帯を作っておけば、会議の場で上司が性差別的な発言をしたときに声をあげられるかもしれない。『そう感じたのは自分だけじゃない』という感覚は勇気につながると思うので。
女性や部下に反論されると『メンツを潰された』と激高するおじさんもいるだけに、黙る、苦笑いという選択をしがちだと思いますが、そこを突き破るためにも日頃から備えておくのが大事かも」(清田さん)

これまでのおじさんとは違う方法で会社の中で認められる、新しいやり方を作ればいいと思います
「根回しや相手のメンツを重んじる男性流が自分の性格に合っているなら、そのスキルを身につければいいと思います。ただ、無理に“男勝りの女”になろうとしたり、おじさんに重用されるような補助役のキャラクターを演じたりする必要はありません。
根回しとは反対の、誰にとっても平等でオープンな会議を実現する方法も必ずあると思うし、それによってこれまでよりも議論が活性化する可能性もあるわけで。
これまでのおじさんとは違う方法に賛同してくれる人も少なくないはずです。自分が納得できて、周りも認めてくれるような方法を探すことを諦めないで欲しいですね」(澁谷さん)