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乙武洋匡が語る「劣等感」を乗り越えるコツとは?【マイノリティの革命児が語るプロ論】

マイノリティの革命児が語るプロ論

ベストセラー『五体不満足』でセンセーショナルに登場し、その後様々なメディアを通して世間の当たり前を裏切ってきた乙武さん。投げかけられた質問に対して、まっすぐ的確に、時にユーモアを交えて答える言葉に垣間見えるのは経験に裏付けられた自信。まさに、彼が自分の軸だと言っている「自己肯定感」だ。人間関係や世間の目など、息苦しさを感じている人にこそ読んでほしいプロ論。
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[乙武洋匡]メッシュタンクトップ¥14300、シャツ¥19800、コート¥63800/ニュージアン、シューズ¥43780/ロンボート(エムエイティティ)  Tシャツ/スタイリスト私物

Q.乙武さんはどんな人を“プロフェッショナル”だと感じますか。

“優先順位がブレない人”かな。「自分が何をするべき人間なのか」、みんないくつか胸に抱いていることがあると思うのですが、その順位がコロコロ変わったりせず、「これがやりたいから生きてるんだ」というのがずっとブレない人というのがプロフェッショナルなのではないでしょうか。

Q.「当たり前」から外れてしまうことに恐怖を感じてしまいます。

“平均値”とは、全員を足して人数で割った数値のこと。でも実は“平均値の人”ってそう多くないんです。みんなその上にいたり下にいたり、てんでバラバラ。だから、「規格通りに生きなきゃ」、「レールから外れないようにしなきゃ」と思ったとしても、それができている人間って実はほとんどいません。本当はみんなレールから外れているのに、全員が自分のものじゃないレールに乗ろうとしているのは、非常にもったいないと思います。

Q.劣等感に押しつぶされそうになったとき、乗り越えるコツはありますか。

「至らないところは他の人にもある」 と考えることかな。自分の至らなさだけに目が向くと、「私は価値のない人間なんじゃないか」 とか「私自身が不良品なんじゃないか」とどんどんネガティブになっていってしまう。でも「私はたまたまこの部分がダメだけど、他の人もむしろ私が得意としているところが苦手だったり、外には見えていない欠点を抱えているかもしれない。みんな誰もが欠陥品でしょ」って思えるとたぶん楽になるはずですよ。

Q.欠点は、改善していかなくても良いのでしょうか。

もちろん人間、欠点を改善できたら良いと思うけれど、読者のみなさんは20代、30代でしょ? 人はそう変わらないですよ(笑) 。だから、 それを気にして「克服しなきゃ、改善しなきゃ」 ってドツボにはまるよりは、あまり気にしないでおおらかに生きて、その代わりに相手の欠点も大目に見てあげる。 「みんな欠点はあるけど、 お互い様だよね」って肩たたきながら前に進んでいく方が楽じゃないですかね。

Q.これから覆したい、“当たり前”はありますか

自分にとっての“当たり前”の違いによって制限を受けている人を、減らしていきたいですね。例えば誰かが恋をする相手が男性か女性かって、他人にとってはどうでも良いことじゃないですか。ではどうして異性愛の人だけが結婚できて、同性愛の人は結婚できないのか。制限があることが納得できない。その制限を外していくのが僕にとっての当たり前の考え方です。

Q.乙武さんご自身としては、自分は何のプロフェッショナルだと思いますか。

僕は職業や肩書へのこだわりはなくて、「ダイバーシティを日本社会に根付かせたい」という思いで行動しています。だから“ダイバーシティを実現しようとするプロフェッショナル”?(笑)。実現するために、あるときは本を書き、講演会やテレビに出演し、今回はこうしてファッション撮影に臨ませていただきました。四肢のない人間がファッション誌に登場した前例ってきっとあまりないですよね。でも、一回乙武がやっておくことで、次の人がまた出やすくなると思うんです。

Biography & Profile

◆1976年
東京都新宿区で誕生

東京都新宿区に生まれる。先天性四肢欠損(生まれつき両腕と両脚がない)という障害を持って誕生。両親は近所の方に挨拶して回り、「今度うちにこういう子が生まれましたので、よろしくお願いします」と応援団を増やしていったという。

◆1998年
『五体不満足』がベストセラーに

早稲田大学在学中に、それまでの人生を振り返り今の率直な思いを語った『五体不満足』を執筆・出版。「障害は不便です。だけど、不幸ではありません」というメッセージは多くの人の心に刺さり、ベストセラーとなった。(1998年、講談社)
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◆2002年
スポーツライターに

大学卒業後は、「スポーツのすばらしさを伝える仕事がしたい」との想いでスポーツライターに。雑誌『Number』の連載をはじめ、スポーツ関連の執筆活動に精力的に取り組んだ。『W杯戦士×乙武洋匡 フィールド・インタビュー』(2002年、文藝春秋)

◆2007年
小学校教論に

教員免許を取得し、東京都新宿区教育委員会非常勤職員、杉並区立杉並第四小学校教諭を歴任、教育への造詣を深めた。この教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』は映画化もされている。『だいじょうぶ3組』(2010年、講談社)
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◆2017年3月
世界放浪の旅へ

2016年に週刊誌で不倫スキャンダルが報道され、参議院議員選挙への出馬を辞退。その後、離婚が成立したのちに、世界37ヵ国を車いすでめぐる放浪の旅に出る。帰国後、世界中で様々な人と出会った経験を著書にまとめた。『ただいま、日本』(2019年、扶桑社)
◆2017年10月
乙武義足プロジェクト始動
2017年にスタートし、現在も進行中の「乙武義足プロジェクト」。日本人初となる四肢欠損者の二足歩行に、各界のプロフェッショナルを集めて挑戦している。その様子は著書にもまとめられた。『四肢奮迅』(2019年、講談社)
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続きはwith9月号でお楽しみください♥

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撮影/柏田テツヲ スタイリスト/SHUN WATANABE ヘア&メイク/石塚真依 取材・文/平井莉生 デザイン/attik

●再構成with online編集部  ●商品情報はwith2021年9月号発売時点のものです。
 
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